はじめに: ビットコインってなに?
ひとことで言うと、銀行を通さずに、世界中のみんなで同じ台帳(お金の記録)を持ち合うしくみです。
管理する人がいないのに、どうやってズルや書きかえを防ぐの?
1-1秘密鍵・公開鍵・署名
💡 秘密鍵を持っている人が、そのお金の持ち主です。
- 秘密鍵
- 自分だけが持つ鍵。署名を作れる。
- 署名
- 「本人が出した」というしるし。
- 公開鍵
- みんなに見せる鍵。署名をチェックできる。
1-2秘密鍵は「ただの超巨大なくじ」
ビットコインの秘密鍵の正体は、256個の0と1を並べたランダムな数です。それだけなのに、だれにも当てられません。理由は「数がとんでもなく多いから」です。
- ビット
- 0か1かの最小単位。コインの表・裏1回分。
- エントロピー
- 予想しにくさ。「コインを何回投げたか」と考えればOK。
① 256回コインを投げて、鍵を作ってみよう
⚠️ 人が考えた数は当てられやすい。鍵はウォレットにまかせましょう。
組み合わせは 2256 通り ≒ 1077 通り。宇宙にある原子の数(およそ1080個)に近いほどの数です。
② 鍵を当てるゲーム
ランダムな鍵を、0から順に全部ためして当てます。24ビットは数十秒かかることも。
🏆 256ビットは、世界中のマイニング機械でも当たらない
🤔 よくある誤解: 量子コンピュータですぐ破られる?
いまは心配いりません。今と将来を分けて考えましょう。
- とても強い量子コンピュータは、将来の課題になりうる
- 新しい署名のしくみへの切りかえが話し合われている
- 今の量子コンピュータで鍵がすぐ破られる
- ビットコインは対策できない
1-3取引とみんなの台帳
取引はみんなが同じ台帳でチェック。持っていないコインや使ったコイン(二重払い)ははじかれます。
- 台帳
- だれがだれにいくら送ったかの記録。全員が同じものを持ちます。
- 二重払い
- 同じコインを2回使おうとするズル。
🤔 よくある誤解: 1BTCも買えないから無理?
いいえ。1BTCは1億サトシ。1円と1銭のように、小さい単位で少しずつ買えます。
例: 1BTC = 1,000万円で計算(実際の値段は毎日変わります)。
2-1ハッシュ = データの指紋
💡 台帳を書きかえられなくする道具、「指紋」から。
SHA-256は、どんな文章も64文字の「指紋」に変えます。1文字変えると、まったく別の指紋に。
- ハッシュ
- データから作る決まった長さの「指紋」。元には戻せません。
- SHA-256
- ビットコインで使われているハッシュの計算方法の名前。
2-2ブロックとチェーン
ブロックチェーンは、ページごとに「前のページの指紋」をハンコで押したノートのようなものです。指紋は1章で見たハッシュ。ここでは先頭6文字を色つきのハンコで表しています。
- ブロック
- 取引をまとめた1ページ。つながるとブロックチェーンに。
- ① 昔のページ(#1)の中身を書きかえてみよう
- ② どこがこわれたか見てみよう
- ③ 直すには、そこから先を全部計算しなおす必要があります
💡 1か所変えると、その先のハンコが全部ずれる。だから昔の記録は変えられません。
2-3マイニング
ハッシュの先頭に「0」がN個並ぶナンスを探します。0が1個増えると、約16倍たいへんに。
- ナンス
- 当たりを探して変えていく「おまけの数字」。くじの番号のようなものです。
- マイニング
- 当たりのナンスを見つけて、ブロックを追加すること。報酬がもらえます。
- むずかしさ
- 当たりに必要な先頭の0の数。多いほど難しい。
当たりまでの目安: 平均 4,096 回
🤔 よくある誤解: マイニングは電気のムダ?
いいえ。電気は、記録の書きかえやズルを守る「カベ」になっています。
マイニングの電気のうちわけ(調査による推定)
出典: ケンブリッジ大学 CCAF「Cambridge Digital Mining Industry Report」(2025年)。持続可能な電源は合計約52%。推定は調査によって異なります。
- 電気を使うほど、記録は書きかえにくくなる
- 余った電気や使い道のない電気を使うマイナーも多い
- 電気は何の役にも立っていない
- マイニングの電気はほぼ全部が石炭
3-1手数料オークション
1つのブロックに入る取引の数には限りがあります。マイナーは手数料の高い取引から順に入れていくので、混んでいるときは手数料を多めに払うと早く入れてもらえます。
- 手数料
- ブロックに入れてもらうためにマイナーに払うお金。
- メモリプール
- まだブロックに入っていない取引の待合室。
ブロックに入るのは5件まで。待合室には12件あります。
3-2半減期と2100万枚の上限
報酬は最初50BTC。21万ブロックごとに半分になり、合計は2100万BTC手前で止まります。
- BTC
- ビットコインの単位。最小は1億分の1BTC(1サトシ)。
- 報酬
- ブロックを追加した人がもらう新しいコイン。
- ブロック高さ
- 最初のブロックから数えて何番目のブロックか。
1ブロックの報酬: BTC(半減 回)
ここまでの発行量: BTC
21万ブロックはおよそ4年。2024年の半減期で報酬は3.125BTCになりました。
🤔 よくある誤解: 報酬がなくなったらビットコインは終わる?
いいえ。マイナーの収入は「新しいコインの報酬」と「送金の手数料」の2つです。
割合はイメージです(実際の手数料は時期によって大きく変わります)。
- 報酬は約4年ごとに半分になる
- 使う人が増えると、手数料の合計は増えやすい
- 報酬がゼロになるとマイナーはタダ働き
- 2140年ごろにビットコインが止まる
3-3ライトニング: ブロックの外で払う
ブロックは約10分に1回。2人で「チャンネル」を開き、中で何回でも一瞬で払い、最後の結果だけを記録するのがライトニングです。
- チャンネル
- 2人専用の支払いの通り道。開く・閉じるときだけ記録します。
- オンチェーン
- ブロックに記録されること。オフチェーンは、記録されないこと。
💡 何百回払っても、ブロックに記録されるのは「開く」と「閉じる」の2回だけ。だから速くて手数料も安くなります。
🎮ゲームで腕だめし
3つのゲームで試してみよう。どれからでもOK。
🎮ゲーム: ニセ取引を見破れ!
OKなら ⭕、ニセモノなら ❌ をタップ!
📖 あそびかた
あなたはチェック係の「ノード」。3レベル・12問、1〜2分。
- ノード
- 台帳を持ち、取引をチェックするコンピューター。世界中にあります。
🎮ゲーム: マイニング競争
連打して、先に3ブロック掘ったら勝ち!
📖 あそびかた
ボタンを連打してナンスを探し、2台のコンピューターと競争しましょう。先に3ブロック見つけたら勝ちです。当たりはハッシュの先頭が「00」になること。
💡 計算が多いほど当たりやすい。でも運もあり、遅い人が勝つことも。
🎮ゲーム: 51%攻撃に挑戦
計算力を決めて、ひみつのチェーンでみんなを追い抜こう!
📖 あそびかた
あなたは悪いマイナー。お店に払ったあと、「払わなかった」ひみつのチェーンで追い抜けば成功。お店は6ブロック待ちます。
- 51%攻撃
- 計算力の半分以上で、取引を取り消す攻撃。
💡 半分未満の計算力では、待つほど追いつけない。だから長く待てば安心。
🤔 よくある誤解: 51%あればビットコインを乗っ取れる?
いいえ。51%攻撃が成功しても、できることは限られています。
- 最近のブロックを作りなおして、自分のコインを二重払いする
- 一部の取引をブロックに入れず、じゃまする
- 他人のコインを盗む・勝手に使う(秘密鍵がないので署名できない)
- ルール以上のコインを作る・2100万BTCの上限や報酬を変える(ルール違反のブロックは他のノードが受け取らない)
- ビットコインのルールそのものを変える
古いブロックほど、後の計算を全部やりなおして追い抜く必要があります。約6承認が安心の目安です。
しかも攻撃には莫大な費用がかかり、成功しても攻撃者のコインや機械の価値が下がります。
4総まとめ: 支払いの流れ
全部の章は、1回の支払いでつながっています。▶で順番に見てみよう。
- 🎲秘密鍵を作る
256ビットのランダムな数。これがあなただけの鍵です。
詳しくは「鍵の強さ」 - 🔑公開鍵とアドレス
秘密鍵から公開鍵を、そこからアドレス(受け取り用の番号)を作ります。
詳しくは「署名」 - 📝取引を書く
「アリスからボブへ 1BTC」という支払いのメッセージを書きます。
詳しくは「台帳」 - ✍️署名で証明
秘密鍵で署名。本人が送ったことを誰でも確認できます。
詳しくは「署名」 - 📡ネットワークに送る
世界中のノードが、残高と署名をチェックして広めます。
詳しくは「台帳」 - ⏳メンプールで待つ
ブロックに入るのを待つ場所。手数料が高い取引から選ばれます。
詳しくは「手数料」 - ⛏️マイナーが採掘
マイナーが取引をブロックに入れ、当たりのナンスを探します。
詳しくは「マイニング」 - 🔗チェーンにつながる
ブロックは前の指紋を引きつぐので、書きかえるとすぐバレます。
詳しくは「チェーン」 - 🎉ボブに届く
ブロックが積まれるほど(承認)取り消せなくなる。目安は6承認。
詳しくはゲーム「51%攻撃」
全部クリア!おつかれさまでした
これで、こんなことが説明できるようになりました:
- ハッシュは改ざんがすぐバレる「指紋」
- ブロックはハッシュで鎖のようにつながっている
- マイニングは当たりのナンス探し。だから記録の書きかえはとても大変
- 署名で、本人が出した取引だとみんなが確認できる
- 秘密鍵はただの乱数でも、数が多すぎて当てられない
- みんなの台帳が二重払いをはじく
- 手数料が高い取引から先にブロックに入る
- 発行は半減期をくり返して2100万BTC未満で打ち止め
- ライトニングなら、ブロックの外で一瞬で払える
- 計算力が半分未満では、過去の取引を取り消せない
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